ハクソー・リッジ

この映画は、太平洋戦争末期の沖縄戦を舞台にしている。アメリカのクリスチャン兵であるデズモンド・T・ドスが武器を持たずに、衛生兵とした75人もの人を救った実話をもとに描かれている。

 2016年公開

 監督:メル・ギブソン

ソース画像を表示

  • あらすじ

豊かな緑に囲まれたヴァージニア州のある街で生まれた育ったデズモンド。弟のハロルドと一緒に山を駆け回るほど活発な少年だった。

しかし、家族に問題があった。兵士として戦った第一次世界大戦で心に傷を負い酒びたりになった父トムと、母バーサとの喧嘩が続く日々を送っていたある日、弟の喧嘩で死なせそうになる出来事が起き、自らを責め「汝、殺すことなかれ」という教えを胸に刻んだのだった。

それから月日は過ぎ、デズモンドは看護師であるドロシー・シュッテと恋に落ち、楽しい日々を過ごしていた。

だが、日に日に第二次世界大戦が激化し、デズモンドの周りの友達が次々と出兵していった。教えに忠実であるデズモンドも衛生兵としてなら国に尽くすことができると考え、陸軍に志願した。

ジャクソン基地にてハウエル軍曹のもと厳しい訓練をいくつもこなしていった。しかし、ライフルの訓練になると彼は銃に触れることを断固として断ったのだ。

グローヴァー大尉から、戦争は人を殺すことだと告げられた。命令に従えないのなら除隊しろと言われ、上官やともに訓練を受けている兵士から嫌がらせが始まったのだが、彼の信念は揺らぐことはなかった。

その姿勢を周りの人は認めたうえで、除隊を進めるもデズモンドは従軍することを決意する。

その後デズモンドは軍法会議にかけられることになるが、ドロシーや父親などの協力により彼は銃を持たずに戦場に行けることとなった。

1945年沖縄に、デズモンドはグローヴァー大尉率いる第77歩兵師団の一員としてハクソー・リッジに到着した。

ハクソー・リッジとは現在の沖縄県浦添市にある浦添城跡の事であり、日本軍からは「前田高地」と、米軍からは「ハクソー・リッジ」と言われていた。ここには今でも多くの壕が残っている。

この地は激戦区であり、先発部隊が6回登って6回撃退された場所であった。150メートルの絶壁を登ると、見たことのない異界が広がっていた。

激戦が繰り広げられている中、負傷した兵士を助けるために奔走するデズモンドは最後まで教えに背くことなく、自分の信念を貫きとおしたのだろうか。

 

ソース画像を表示 

  • 感想

映画の前半ではデズモンドが従軍するまでの様子が描かれているが、そこには戦争とかけ離れた平和な世界が広がっていた。映画を見に行ったり、山を駆け回ったりと、この時の日本と比べると米軍が優位であるのが良く分かる。

映画の後半では凄まじい戦闘が繰り広げられており、沖縄でこのような戦闘があったとは想像ができない。さらに日本兵がいっきに米軍に突撃するさまは見ていて恐怖を覚えた。

また、これが実話であるのもまた驚きである。武器を持たずに戦場に行き、弾丸が飛び交う中で、自分の信念を貫き通そうとするデズモンドには感服する。

最後にこの映画は見て損はない作品ですので、ぜひご鑑賞あれ。